気にされている

珍しく、お茶を入れた後に私と目が合い、そのままこっちに歩いて来た若造。
「こんにちは。」なんて、変な挨拶。
「元気?」
「まぁまぁ。」
「なんか、うちの豚が巻き込んでない?大丈夫?」
「あぁ、大丈夫ですよ。昔の記憶を掘り起こしているだけです。」
「ならいいけど。調子どう?」
「普通ですよ。社長のお見舞い、行かないとと思っているんですけどなかなか・・・うちのグループだけなんですよね?行ってないの。この前ちょっとその話になって。」
もう我慢が出来なかった。
「ちょっといい?」って、無理に商談席に引きずり込む。
社長の見舞いにも行かないし、親会社の監査部長とも食事会に行かない若造のグループの女性の異常性を話した。
「それは知らなかった・・・」
「うん、知らなくても良いよ。君があちらで上手く立ち振る舞うのは全然良い。そうしなければダメだと思うし。ただ、それとこれとは話が別だからね。ちゃんと普通の感覚を持ち合わせていないとダメだよ?そちらの空気に合わせていても、おかしい事はおかしいと、流されないでちゃんと見極めて。大丈夫だと思うけど心配だから…」
「わかりました。大丈夫です。」
台湾の二日目は、本部長の案内で観光するらしい。
夜、一緒に夜市に行けると楽しいだろうな。
若造をどうしたら戻してもらえるんだろう?
やっぱりあのメンバーじゃ無理だよ。