お別れ

昨日のクリスマス、速攻で帰った若造だったが
「さすがにいつも行列のラーメン屋が空いていました。」
って、一人ラーメンを食べたことを報告された。
「家でテレビもあんまり見ないでゴロゴロしてました。」
だって。
「最近ベッドに飽きて、下にマットレスと布団を下して寝てるんです。」
こんな彼のリアルな近況を聞くのも最後なんだろうな・・・
泣きそうになる。
午前中から隣の空き席に移動するだけの私は、地味に準備を始める。
煽っているみたいで嫌だけど、私が動かないと始まらない感じがあるから、どうしたってグズグズしていられない。
お昼休みに
「これ、お餞別。」と、若造に渡す。
「え?」
「冷汗が出たらこれで顔を拭いて、ストレスが溜まったらガムを噛んで、花粉の時期にはこれで鼻かんでね。」
「ありがとうございます。助かります。」
そうこうしている内に、本格的に席替えの雰囲気が漂ってくる。
彼が行く先も既に空いていたので、机を拭いてあげに行く。
「不束者が来ますので、宜しくお願いします。」
「こちらこそ。」
私がガタガタ始めたら、若造がじっと見る。
「追い出してないよ。私が動かないと誰も動けないでしょ?そしてこの重いの、君が運んでくれるよね?」
「もちろんです。」
なんて言ってたら、引き出しのレールが抜けて元に戻らなくなる。
若造が直してくれた。
そして新しいグループから、若造を迎えにやってきた。
「お迎えですか?」
「そう。大歓迎だからね。」
良かったね若造。
惜しまれ、望まれて。
でも、席替えしている間に新人がやってきて
「若造さん、まだですか?」と来た。
「なんだよ!慌てるなよ!」
「暇だから様子を見に来たんです。」だって。
大物だな。っていうか、いじられてんの??
移動するや否や戻ってきて、
「居られないです。息が詰まりそう・・・」と言って私の横でずっとおしゃべりしている。
「ほんとだ、囲まれてるもんね。でも毎日そこに座るんだからね。慣れないと。」
「やだ。もう嫌になった。」
「ばかじゃないの。ここ空いてるから、いつでもおいで。」
私の目の前が空いてるんだよね。月に一度くらい出社する顧問の席なので。
その後、GLから女性だけ呼び出され、仕事の分担について指示が出る。
先日の打ち合わせから変わって、結局私に3割増しの仕事が回ってくるという。嘘でしょ?
「先日言ったように、私のボリューム減らしてもらえないんですか?」
無理らしい。ひどい話。
隣の本部は女性7人いるのに、こっちはたったの4人。
おかしくない?
打ち合わせが終わって出てくると、若造が皆に年末のご挨拶をしている。
もう麻雀に行くのだろう。
そして気が付いたら、私に何の挨拶もなく帰ろうとしている。
「ちょっとー!若造、まさか私に挨拶無しでマージャンに行かないよね?!」
「あぁ!そんなつもりじゃなかったけど・・・忘れてました。」
「うそでしょ!信じられない!!」
「がおさん、本当にお世話になりました。まだお世話になりますけど、がおさんがいなかったらここまでできなかったと思います。有難うございました。」
あぁ、本当にお別
れなんだ・・・
「こちらこそ、お世話になりました。若造が相手じゃなければ、とっくにだめになっていたと思います。サポートしてくれてありがとう。九州のお土産楽しみにしてるから。麻雀頑張ってね!」
「明日明後日に連絡もらえれば、お土産リクエストに応えますから。」
うぅ・・・連絡しちゃうぞ!嘘だけど。
私たちは恒例のカラオケに行く為に、銀座のディンタイフォンで腹ごしらえ。
チャーハンが美味しかったなぁ♪
カラオケは混んでいて1時間しかできなかったけど、一年の憂さを晴らせてスッキリ。
野良元妻とも席が離れ、来年からは違う会社みたいだな。
私、大丈夫だろうか??