異動がひっくり返る

信じられないことが起こった。
野良元妻の異動が無くなった。
昨日社長に呼ばれた彼女は
「最近、社内の雰囲気はどう?なんか混沌としているように見えるけど?」なんてふざけた事を社長が言ったらしい。
「え?わかりませんか?あんなに女性だけが残業して、新システムは全く進まなくて、4月から怖くて仕方ないですよ。がおさんの所なんて、まったく立ちいかないですよ。大体、なんでがおさんばかりに仕事が集中して、できないと言っても汚パンツに仕事を振るわけでもない。どうしてそんな不公平なことになるんですか?」と言ってくれたらしい。
「汚パンツはもっとやれると僕も思うよ。そこは早急に人を入れるとしても、すぐには仕事を覚えられないし、しばらくは無理だよね?」
「こんな時期に異動があったのがいけないんです。私と交替する彼女にも現状を聞いて下さい。」って言って、その彼女も連れてきたらしい。
「もう元に戻してください。」って言ったんだって。
まさかの異動不履行。
それを知った若造のショック。
夕方近づいてきて
「がおさん、今日はどうするんですか?」って聞く。
「いつも通り、いつまで続くか分からない残業をするんだよ。君は麻雀?」
「そうです。僕も直談判しよう。」と静かな闘志を燃やしていた。
「若造も絶対に辛いと思うの。毎日溜息と伸びがすごいの。あんな姿見たことないし。『今後もがおさんと私は若造のバックアップを惜しまないよ。頑張るんだよ!』って言ったら、いつもなら『大丈夫ですよ』っていう所だと思うけど、苦笑いだったもん。可愛そうだよ。」
でも君は、偉くなりたいって野望を抱えているわけで、その為にはどうしても避けて通れない道で、私は頑張ってほしいと思っていた。それこそサポートは惜しまないよって。
でも、限界なんじゃないか?って、近くで見ていた野良元妻は言う。
あのグループは本当に特殊で、まるで転職した気分だと思う。このままじゃ辞めちゃうんじゃないかって、心配になるって。
本当に?そこまでだと思わなかったけど、楽観視しすぎだった?
本当の気持ちを話してくれれば…急に心配になってくる。
夜、残業にも飽きて野良元妻を誘ってご飯を食べて帰ろうとメールする。
エレベーターホールで
「がおさんにご飯誘ってもらえてよかった・・・うわーん!」って号泣しだす。
え?コント?どっきり??何の為に???と混乱する。
「え?どうしたの?何?えぇ??」ってなるでしょ!
聞いたら、異動が無くなり、ずっとわだかまっていた仕事を引き継いでいた相手に
「私、何かあなたの気に障るような事した?」って聞いたんだって。
そうしたら、彼女は野良元妻を全否定してきたと。
「何もかも文句言ってますよね?その姿勢に我慢が出来なくなった。仕事の覚えも悪いし、人にもシステムにも仕事の進め方にもすべて否定的。それに同意を求められても、私はそれに対して不満は無いので、本当に困りました。だけど人それぞれ考え方があるんだろうと思って、私あなたとは分かり合えないって割り切りました。その時から、最終的にはこうなるんだろうなって想像できていました。」って言われて、青天の霹靂!って、ビックリしてショックを受けてしまったらしい。
「ずっと友達だと思っていたのに、なんでもっと早く言ってくれなかったの?って感じ。そんな風にばっさり切られてしまう前に、気に障るところを言ってくれれば直せたかもしれないのに。もう会社になんか行けない…うわーん!」だって。
「総務のNちゃんとも、人それぞれ考え方が違うからって話になったし。」って、それもまた野良元妻が仲良しだと思い込んでいる人の名前を引き合いに出され、そっちからも嫌われてるのかも?!って、立ち直れそうもない雰囲気でした。
餃子とチャーハンを食べて「半分立ち直れた」って言ってたけど。
なんかもう色々ありすぎて、胃酸が逆流してきそうよ。
私には全然関係ないのに・・・
私にとって野良元妻はとても都合がよい存在。
だから辞めてほしくは無い。
しかし、皆すごいね。私が一番大人しいよ。