手玉に取られている

若造が社長に提出する資料作りに苦戦してた。
「サンプルをいくつか付けて、どれに転んでも受け入れられるペンを選択したいんですけど、がおさんが提案したネームが彫れるやつ、僕はあれが良いと思うんですよね。それ前後の値段の他社製品とかも提示して、やっぱりこれが一番だって思わせるように作りたいんですけど…」とか言って、PC片手に何度も私の席にやってくる。
「がおさん、どっちが良いと思いますか?」
「がおさん、なんか分かんなくなってきました!」
などなど…
明日から社長が出張なので、今日中に話をしないといけない。
結局、夕方口頭で説明していた若造。
話を小耳に挟んだ様子だと、全部却下されていませんか?って感じ。
しどろもどろになっている若造。
どうした?頑張れ!と、心の中で応援する。
野良元妻が言うには、周年記念品は100個は作れ。予算は100万円以上1円も出ない。食事代が高すぎないか?などなど
結局社長の言いなりにならなきゃならないなら、なんで初めからそう言わないんだ?ムカツク
社長が居なくなってから、若造が近付いてきた。
「がおさん、なんか大変なことになってきましたよ〜」
結局、食事代が高いから、ホテルじゃなくても良くないか?とか、招待客が多すぎるとか。
食事や酒が足りないと困るから、予算10万円は手元に残しておけとか言われたらしい。
でも、彼自身は「納得したと思いますよ」と笑う。
本当か?
でも、彼が一番社長とプライベートも共にしているし、気心が知れているのではないか?と言う事で、まぁ何とかなるんじゃないかな?
で、その後メールで「どれが良いですか?」的な提案を社長あてにしていた。
強い心だ。
明日は有給の若造。
「明日休みなんだ?」
「そうなんです。ゴルゴルゴルフ!」
「ゴルフ?」
「今度S社のジュニアゴルフ大会に出ることになって、練習しないと!と思って。」
「会社の代表で?」
「そうなんですよ。すごい緊張感ですよぉ!」
「明日上手な人いるの?」
「いや、どんぐりです。」
「じゃぁ上達しないじゃん!一度プロのせっすん受ければいいのに。絶対にそれが早いよ。」
「うーん…そうですよねぇ…」
明日は居ないいのね。
淋しいけどちょっとホッとするのはなぜでしょうね?