これでしょ

仕事が暇になった。
暇じゃないけど、定時で終われる様になった。
何が違うんだろうね?
でも、会社全体がそういう空気だから仕方ない。
6時前に帰り支度をし、若造が一人で残っているから、無理矢理話しかけに行った。
「今日は暖かいの?」
「暖かかったですよ。って言うか、風が強い!」
「花粉満載って感じ?」
「すごいと思うんですけど、今日は全然大丈夫なんですよね。あ!聞いて下さいよ。今日、馬喰町のお客さんの所に歩いて行ったんですけど、お昼にちょっと良いところに連れてってやるって言われて付いて行ったんですけど、両国の方に向かって行って、橋を渡るんですよ。その時に、あれ?見た事ある!と思ったら、月9のあの橋だったんです!」
「あ!あの、会社の下のオフィスにいるレン君の隠れ家みたいなところの?!」
「そうそう。」
「どこなんだろうな〜って思ってたんだよね〜。案外近い所だったんだ。」
「そうなんです。写真とか貼ってあって。」
「へ〜。そうだ、ここで撮影してた時いた?」
「見てないんですよ。テレビでは見ましたけど。」
「って言うか、月9とか見ちゃうんだ?」
「…見てますよ。」
こんな普通の会話がしたいだけなのに。
楽しい。
君とは特別な話が全然できないけど、飲み会でも会話が続かないけど、こういう他愛のない話がしたいだけなんだよ。
きっと君も楽しいと思ったでしょ?
あ〜、がおさんと話すとホッとするって思ったでしょ?
わかるもん。
わかっちゃうよ、その感じ。
あと何年一緒に居られるか分からないけど、ずっと関わっていたいと思っているよ。
どうかこの関係を壊さないでほしい。
神様、それくらい叶えて下さい…