脳腫瘍

朝出かける前に母に、外出させるなと言っておいた。
どうしても出かけるというなら、必ず付いて行きなさいと。
ランチで父の異常ぶりを話すと、「自転車で転んで顔を打ったってことは、頭を打ったって事じゃないの?」と、Aちゃんと野良元妻の二人から言われた。
その通りだ。
なんで今まで気付かなかったのだろう?
脳に異常?インターネットで調べると、外傷性脳梗塞というのもあるらしい。
交通事故などで頭を打ってできたりすると。
驚いて市立病院の担当医に電話して様子を話すと、「明日朝から脳外科にかかった方が良い」と言われました。
妹にそのようにメールして、いつものように残業してから9時半ごろ帰宅。
すると、明らかに悪化している父が床に転がって激しく歯軋りしていました。
「なんで?!ずっとこうなの?」と母に聞くと、
「帰ってからずっとこうなのよ。朝どうしても出かけるって言うからついて行くって言ったんだけど、大丈夫だって言うから1人で出かけさせてたの。で、さっきからお風呂に入りなさいって言ってるのに起きないの。」って、
どうしてそんな暢気な事が言えるの?っていう位、正常では無い様子が一目でわかる。
現に、トイレにも1人で行けず、さっき甥と三人で支えて連れて行ったと言う。
「どこか具合悪い?」と聞くと、やっと目を開き
「ううん。」と否定するが起き上がらない。
「座らない?そしてお風呂に入ろう。」と言って起こそうとしても、私1人の力ではどうにもならないくらい脱力して重い。
甥と母と三人がかりで起こしてソファーに座らせて服を脱がせる。
「1人で脱げるなら脱いで。」と試しに聞いてみると、脱ごうとするけど右手しか使っていない。
「左手は使えないの?」と聞くと
「いや、むしろ左手の方が動くくらい。」と言ってうごかして見せるけど、やはりうまく動かない。
やっとの思い出風呂場まで連れて行き、甥に任せてシャワーを浴びさせる。
その間に救急相談に電話をして状態を説明すると「脳梗塞の疑いがあると思います。すぐに救急車を呼んで下さい。」と言われる。
妹と姪は試写会に行っていて、さっき帰ってきた様子。
すぐに連絡し、父を風呂から出して身支度をさせている間に救急車を呼ぶ。
救急隊も「脳梗塞の疑いがあります。でもご存知の通り、脳梗塞だとすれば時間の勝負です。怪我をした時にきっかけがあったとすれば、時間が経ち過ぎている事を自覚なさって下さい。」と言われた。
どうして気が付かなかったのか?
そのまま救急搬送され、市立病院で検査が始まった。
病院に着いたのは23時過ぎ。
結果が出るまで2時間かかった。
脳腫瘍だろうと言う。
それも楽観視出来ないくらい、悪い物の可能性が高いと。
「CTだけなのではっきりしませんが、私の見立てが正しければ、5年生存率は6%です。」と言われた。
とりあえず明日精密検査をして、2週間以内には治療の方向性を決め、大学病院に転送する可能性もあると言われた。
なんてこと・・・
でもうちの父は、死にそうになりながら2度も治っている。
2度あることは3度ある。
きっと大丈夫。
がんばれ!パパ!!