勝った!と思った。

若造が話しかけてきた。
「昨日、帰るのが9時くらいになっちゃって、お惣菜を買って帰ったんです。」
「そう。遅かったんだね。」
「家に帰ったら、鍵が無かったんです・・・」
「え?大変!」
上着のポケットに入れたままで、暑くて上着を置いて帰っちゃったからだったんです。どうしよう?!と思ったんだけど、アルソックを呼びました。」
「え?吉田選手の居るあのアルソック??」
「そうです。今のアパート、鍵を3本渡されて、そのうち一本はアルソックが預かってくれるんです。何かあった時は、来てくれて鍵も開けてくれるみたいな。」
「へ〜そうなんだ〜。でも待つのとか大変だよね?」
「1時間くらい部屋の前でお惣菜食べて待ってました。」
「あらぁ・・・お疲れ様。」
色んなことを考えました。
彼女と暮らしては居ない事、鍵も彼女には渡してないのかな?って事。
そんな事も何故か私に話してくれることにも少しホッとしました。
そして夜、久々のイトマン同窓会です。
朝から大雨だったので、レインコートに長靴でしたが、パンプスを持ってきていたのでそれに履き替え、夕方は雨も止んでいました。
現れた憧れのN氏は、イメージが全然変わらなくて、髪に白い物が混じって大人になったな〜とは思いましたが、相変わらずの爽やかなおじさんって感じでした。
あの頃は話もあまりしなかったけど、大人になったからか、お喋りが止まりませんでした。
当時の彼の仕事の忙しさや、その内容などを初めて知った感じでした。
日本で一番肉を輸入していたのではないか?という会社だったようです。
自覚してませんでしたけど、今となっては誇らしい話です。
彼がそれを楽しそうに話す所が見れて良かった。
当時、右も左も分らない私に色々指導してくれた倉庫の取引先のS氏は、今や社長になっていました!
彼の方が、全然イメージ変わってなかった。
もうおじいちゃんだというのに!
まだまだ話し足りないけど、遠い人も主婦も居るので、写真を撮って解散したのが10時過ぎ。
私だけ利用駅が違うので、ビルでお別れする際に、N氏がスッと近付いて右手を差し出した。
まさか握手を求められるとは思わず、ビックリしましたが・・・
なんだか「勝った!!」と、ガッツポーズを決めたくなるような瞬間でした。
あの当時は、300回くらい誘ってやっと一度新橋に飲みに連れて行ってもらいましたが、今回は彼の方から握手を求めてくるなんて!!
やったぜ!って感じ。
若造に教えてやりたい気分でした。