若造 32th Birthday

若造が誕生日だ。
いつものように靴下をプレゼントする。
5足も。
好きだって言うから、グミも5種類も。
あとクロレッツの大きいボトル。
お昼休みに机にそっと置き、外食から帰ってきた若造が
「がおさん、いつもありがとうございます。」って言いに来た。
ふふふ。
でも、いつも思う。
会話が弾まないよね。
私が悪いの?
この程度で良いの?
今日から取引先の人が転職してきた。
若造が新人の頃、研修で大変お世話になった人だ。
帰りに顧問と三人で飲みに行くようだ。
「あ!若造さんバッグが変わりましたね!おしゃれリュック!」と鯖江ちゃんが声をかける。
「新しいのわかった?嬉しいな」とデレデレする。
「チャラーい!」と意地悪を言ってしまう私。
「チャラリーマンじゃん」とダメ押しする。
私はリュックが嫌い。
誕生日に誰かにプレゼントされたのかな?
あ〜、好意って難しい。
持て余す感情。
優しくしたいのに意地悪を言ってしまう。
構ってほしいのに目を逸らしてしまう。
格好悪いから自然にしたいのに、どうせばれているんだから、素直に堕しちゃえばいいのに、何やってんだババア!
恥ずかしい。
お誕生日おめでとう。
いつまでお祝いできるのかな?
考えると苦しくなる…